スピーチ、プレゼンテーション、話し方のコンサルティングをしておりますが
常に伝えているのが「伝える力をただ身につければ良いというものではない」ということ。
ではどうすれば良いのでしょうか。
ズバリ、聴き手が自分の話を聴く・受け取る・受け容れる姿勢を整えること。
ここを疎かにしてしまうと、いくら一生懸命準備をして練習をしても
自分が伝えたいことが聴き手に伝わらない可能性が高くなってしまいます。
例えば、Aさんが部下10名の前で話をする場面を取り上げてみましょう。
Aさんは話の内容をまとめ、作り込み、発声練習などを重ねたとします。
「よし、準備万端だ!」と意気込んで話をしても
【部下がAさんの話をそもそも聴く気がない】のであれば
Aさんの話は部下10名の頭の中にも心の中にも入っていきません。
つまり、部下10名はAさんの話を聴く・受け取る・受けれる姿勢が整っていなかった
ということになります。
さて、この背景には一体何があるのでしょうか。
あくまでも例え話なので想像にはなりますが
✔ Aさんと部下の信頼関係が構築されていなかった
✔ 部下の時間的余裕がなかった
✔ 話を聴かせるための環境が整っていなかった
などが考えられます。
この中で
✔ 部下の時間的余裕がなかった
こちらは事前告知などですぐにカバーできます。
✔ 話を聴かせるための環境が整っていなかった
こちらも場所を変える、騒音や空調などを調節することですぐにカバーできます。
ところが
✔ Aさんと部下の信頼関係が構築されていなかった
こちらは上記2つのようにすぐにカバーできません。
なぜなら
【信頼関係とは積み重ねの結果であってすぐに構築できるものではないから】、そして
【1度崩れた信頼関係を再構築するには時間がかかるから】。
これだけ一生懸命伝えているのに響かないのはなぜ?と思っている方、
立ち止まって振り返ってみて下さい。
とここまで書いて思い出しました。
以前、とある経営者から
「会議で全体に対して言いにくいことを言わなければならない場面があります。
効果的な伝え方はありますか?」と質問をいただきました。
こちらの経営者のお話を深掘りしていく中で、
この方と社員の信頼関係構築について疑念が浮かび上がってきました。
そもそも社員との対話が圧倒的に少ない…
その点を脇に置いて伝え方のブラッシュアップのみをしても、思うような成果は得られにくい―
そんなことをお伝えした記憶があります。
伝える力なんて人間関係構築やコミュニケーション活性化の
1つの手段でしかありません。
スピーチをするにしても、プレゼンテーションをするにしても
聴き手の受け入れ姿勢を整えるため、日頃から
【聴き手の話を聴く・受け取る・受け容れる】ことを積極的に行いましょう。
写真は株式会社S&Cの代表取締役:渡邉社長とスタッフのkumioさん。
先日東京出張に行った際、お2人と一緒にワークアウトを行いました。
身体作りも同じですね。
ただ鍛える、ただ食事改善をするのではなく、
「自分の身体の声を聴き状態を把握し、理想の身体をイメージする」-
健康体で生きていきましょう♪