『それでは私の自己紹介をさせていただきたいと思います』 よく耳にする言い回しですね。 丁寧に言おうとしている姿勢は決して悪くはありませんが まどろっこしいと感じる方もいるのではないでしょうか。 この「~させていただきます」はとても便利な言い回し。 ひとまずこのように言っておけば間違いはないだろうと思っている人も きっと多いことでしょう。 確かに誰のことも傷つけませんし誰の怒りを買うこともないです。 ですが、 ・まどろっこしい ・丁寧過ぎる ・もっと短く言って良いのでは? と感じている人も案外いるもの。 「~させていただきます」という言葉は ① 言う側が恩恵を受ける ② 言う側が許可を得る 時に使う言い回し。 例えば、会議の時間の変更。 当初14時開始だった会議の時間をこちらの都合で15時開始に変更をお願いする場合、 「会議の開始を15時に変更させていただきます」 これはOK。 相手から許可を得る場面ですので。 それに対して冒頭の自己紹介の場面では 恐らく多くの場合許可をわざわざ得ることはないと思われます。 そして「~と思います」について。 「思います」と言っているくらいですから 文字通り「自分が○○だと思う」時に使うのが正しい使い方。 例えば、会議で自分の意見を発表する時に 「私はA案が良いと思います。なぜなら~」 と言えば問題ナシ。 自分の意見、感想、考え、主張の際には「思います」を使ってOK。 自己紹介をする時に「自己紹介をする、と思う」なんてことはないですよね。 正に今から自己紹介をしますので。 細かいなぁ、と思われるかもしれませんが 無駄な言葉を省く癖をつけておくと ・時間の短縮に繋がる ・重要事項だけがしっかり相手に伝わる というようなメリットがあります。 自己紹介をする時には 【それでは私の自己紹介をいたします】 と言いましょう。 この言い回しを聴いて不快に思ったり怒ったりする人はまずいないでしょう。 「します」の謙譲語は「いたします」。 ・自己紹介をいたします ・発表いたします ・お送りいたします で充分相手への敬意は伝わりますよ。 あとは口調に気を付ける、できるだけ目を見て伝える、 日頃から良好な人間関係を構築しておく― これができていれば必要以上に '丁寧に言わなければ' と力まなくても大丈夫です。 この春社会人になった新入社員の皆さんの中には 敬語の使い方に慣れていない方もたくさんいらっしゃると思います。 すぐに話せるようにはなれませんが 1つ1つ、'○○の時にはこのような言い回しをすれば良いのか' と 耳から聴く、声に出す、の繰り返しで 少しずつ身につけていってもらえたら嬉しいです。 あ、モチロン新入社員の皆さんに限らず 既に社会でバリバリ活躍している方々も。 プレゼンや会議、商談の話し始めは短く、スッキリと、 でも相手への敬意を忘れずに(^^♪
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正しい言い回しで伝える
2021.04.16