自分の「伝える力」に不安を抱いている皆さまへ。
伝えることだけにベクトルを向けると、結果それが「伝わりにくい」ことになってしまうかもしれませんよ。
話し上手は聴き上手、とよく言います。
相手の話をしっかり聴いている人は、実に色んなことに意識を向けて聴いています。
*表情=笑顔、暗い顔、真顔…
*声のトーン=明るいトーン、低めのトーン…
*話すスピード=速い、遅い…
*体の動き=前のめり、腕を組んでいる、ふんぞり返っている…
*目線=じっと目を見る、時々逸らす、ほとんど合わせない…
単に話の内容を聞くだけではなく言葉以外の情報(非言語)もしっかりと見ながら、
相手の本音はどこにあるのか、言葉と裏腹なことを思っていないか、など神経を集中させて聴きます。「傾聴」というものですね。
相手にしっかりと話を伝えるためには、日頃から相手の話を聴く=傾聴力を磨いていくことが必要なんです。
では、なぜ傾聴力?伝えることがメインなのに、なぜ聴く力を鍛える必要があるの?
ちょっと考えてみて下さい。
例えばあなたの知り合いのAさんという方が、あなたに対して話を始めました。
失礼ですが…何を言っているのかさっぱり分からない!
要領を得ていないし話のまとまりもない。「え~」「あの~」の連発…。
あなたはどう感じますか?
恐らく、
‘自分は相手に伝わるような話し方をしよう’と思うのでは?
対して、話が上手なBさん。何を言いたいのかも分かるし、話を聴いていて何より楽しい。
‘自分もBさんのように分かりやすい話し方をしよう’と思いませんか?
傾聴力というものは、相手の話を単に聴くことではありません。
目から入ってくる情報(表情、体の動きなど)と耳から入ってくる情報(話の内容、話すスピード、声のトーンなど)から相手の本音や感情などを汲み取ったりイメージして、それに対してボールを返す―
そしてそのボールがお互いの間を気持ちよく行き来して、話が盛り上がったり心の距離が縮まったり。
実に温かく、そして深いものなんです。
プラス、「どうすればもっと相手に分かりやすく伝えられるか」の基盤とも言えるべきものなんです。
「どう聴けば、相手がもっと話しやすいか」
「どう話せば、相手がもっと聴きやすいか」
この2つは密接に絡み合っています。と言いますか、これがコミュニケーションの基本中の基本です。
伝える力に自信がない方は、まずは傾聴力を鍛えてみて下さい。